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水虫の症状と検査と治療

      2017/01/10

水虫の症状と検査・診断

症状だけで水虫を見分けることはできますか。薬局で薬を買うとき、ど
んなふうにいえばよいでしょうか?

これはむずかしい質問です。たぶん多くの方が、薬局で、とくに薬品の名前をあげずに「水虫の薬をください」といい、それにたいして薬剤師は、どんな症状があるのか聞いたうえで、薬を選んでいると思います。

 

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この場合水虫といわれているむのは、単に足の皮がむけてくる皮膚病すべてをさしているものと思います。このように足の皮がむけてくる皮膚病として、医学的には、カビ(真菌)によっておこる足白癬やカンジダ症、履き物や床のワックスなどによるかぶれ(接触皮膚炎)、急に汗をかいたための小さなみずぶくれ、あるいは掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)といわれる病気など、たくさんの病気がふくまれます。つまり、足の皮がむけたという段階では、まだはっきりした病名は決められないのです。
もっとも、これらの病気のなかでは、足白癬がもっとも多いのでふつう、水虫といえば足白癬をさしていると考えられます。したがって、薬剤師も「水虫薬」といわれれば、抗真菌剤(白癬を治す薬)を渡すことになるでしょう。そして、あなたの病気がたまたま足白癬でなかったとすると、むろんこの薬は効きません。
残念なことに、足白癬とそれ以外の皮膚病を症状によってはっきり見分けることはできません。確かに、それぞれの病気にはなんらかの特徴があり、皮膚科医がみればある程度の見当はつけられますが、それでも最終的に足白癬と診断するためには、特殊な検査によってその病変部にカビがいることを証明しなければなりません。
この方の場合、これまでに皮膚科の専門医の診察をうけていて、検査の結果、足白癬の診断をされているのでしたら、ふつうの薬の買いかたで、まずまちがいはないでしょう。しかし、それでも、その診察の時点で足白癬であったというだけで、その後、治療薬が合わなくなったりして、かぶれをおこしている場合もあり得ます。
もし、この方がまだ皮膚科医の診察をうけておらず、はっきりした病名が決まっていないのなら、薬局でいろいろと症状を話しても、薬をきちんと選んでもらえる可能性はもっと小さいことになります。
やはり、まず正確な診断がたいせつだと思います。症状によって薬を選ぷのは、そのあとのことです。

水虫でよくみられる症状

水虫にはさまざまな症状があると聞いています。どんな症状が多いのですか。症状によって治療の内容もちがうのでしょうか
この場合、水虫とは白癬をさしていると思われます。
足の白癬の症状は、大きく分けると、
①足の指のあいだが白くやわらかくなり、ひどくなるとただれてくるもの(趾間型)
②足の指や足の裏に小さな水ぶくれができてくるもの(小水疱型=しょうすいほうがた)
③足の裏全体が厚くがさがさになり、小さいひび割れも混じるもの(角化型)
④爪に白癬菌が入り、白く濁ったり、厚くなったり、あるいは爪がくずれてくるもの(爪白癬=爪水虫)になります。いずれも、白癬菌とよばれるカビの感染による病気です。このカビはいくつかの種類をふくんでいますが、わが国で足白癬をおこすカビとしては、紅色菌と趾間菌とよばれるものがほとんどです。一般の皮膚科外来での調査では、趾同型ではこれらの菌がほぼ半分ずつ、小水咆型では趾間菌がやや多く、角化型や爪白癬=爪水虫はほとんどが紅色菌でおきています。
この二種の菌の生物学的な差はごくわずかです。現在市販されている抗白癬剤はいずれも、これらの二種の菌にたいして効きかたがちがうということはあまりありません。したがって、現在のところ、足白癬を原因菌によって分けて治療する必要はとくにありません。また予防や感染源対策も、とくに区別する必要はありません。
抗白癬剤には液剤、クリーム剤などさまざまな剤型があり、厳密にいえば症状によって細かい使い分けが必聚です。しかし、症状によって有効率に差があるわけでなく、また現在の製剤は刺激性も大幅に改善されていますので、患者さんの好みで、あるいは使いやすさで剤型を選んでも、大きな差はありません。

水虫のタイプ

水虫のタイプ

 

幼児の指先が赤くなり、爪が変形する二歳の女の子です。手の指の先が赤くなり、爪が変形しています。なにかの病気でしょうか
このような症状は、多くの場合、足の水虫とは無関係です。
まず急にはじまり、強い症状や痛みがあれば単純ヘルペスという病気も考えられます。ロの中になにかできたことはありませんか。思いあたることがあれば、病院で診てもらいましょう。
症状がゆっくりとはじまり、痛みがないようでしたら、指しやぶりによるむのが考えられます。一度じっくりと子どもを観察して、そのようなことがないかどうか確かめてください。指しゃぶりでおきた爪の変化のなかにはカビによるものもふくまれますので、これもいちおう皮膚科で検査をうけることをおすすめします。
このような爪や指の変化は、指しゃぶりのくせがおさまれば自然に治るので、あまり心配する必要はありません。わたくしは、子どもが指しやぶりより楽しい遊びを自分で見つけるようにしてやるのがよいと思っています。

幼児の手の皮がむけてかゆい三歳の子どもが、手の皮がむけており、かゆいといいます。水虫でしょうか
大人でも手の白癬はまれで、しかもほとんどが足の白癬につづいておこります。子どもの手の指が赤くなり、かゆくて皮がむけている場合、多くはかぶれによるものです。原因として、遊び道具や玩具の塗料のほか、土や砂をいじったあとにもみられます。
子どもが日常生活でどんなものにふれているか、注意してください。ただし、あまり神経質にならないようにしましょう。
治療は副腎皮質ステロイド剤などを使いますが、これは皮膚科医にまかせたほうがよいと思います。

幼児の足の忠が赤くなり、皮がむける三歳の男の子が、足の裏が赤くなり、皮がむけています。皮膚病でしょうか

この「皮膚病でしょうか」という質問には、よくぶつかります。たぶん「もともと内臓の病気があって、それが皮膚にあらわれたものか」という意昧だと思います。
内臓の病気、あるいは先天性の病気があってそれが皮膚にあらわれる場合、多くは広い範囲に、しかも左右対称にできる傾向があります。もし足にそのような変化があれば、まず手にもありますし、しかも左右ともにあるという具合です。
この子どもさんの場合、靴や床、あるいは遊び場などでできたかぶれ(接触皮膚炎)がもっとも考えられます。子どもの足の白癬はまれで、その場合、多くは親にも足白癬があります。一度、皮膚科医の診察をうけてください。

幼児の手足の皮膚が黄色くなった四歳の子どもですが、手足の皮膚が黄色くなっています。皮はむけていないし、かゆくもないといいます。どんなことが考えられますか
むずかしく考えると、黄疸の初期や薬剤によっておきるものなど、いろいろの原因がありますが、もっとも多いのは、冬にみかんをたくさん食べたときにおこる柑皮症です。
柑皮症の症状の特徴は、①手足の皮膚が黄色くなっても眼の結膜や舌が黄色くならないこと、②全身症状がないこと、③薬剤投与歴がないことなどです。一度その目で見直してみてください。ただし、柑皮症と診断するためには、皮膚科で診てもらう必要があります。柑皮症であることがわかれば、治療の必要はありません。

小学生の指の赤い輪
小学生の子どもが、指に小さな赤い輪のついた斑点ができました。水虫でしょうか。親に水虫はありません
考えられる病気は、たむしのほかに多形溶出性紅斑、しもやけなどです。
多形滲出性紅斑(たけいしんしゅつせいこうはん)は、ときとして発熱や関節痛とともに手足に大小の輪をかいた斑点ができるのが特徴です。ウイルスそのほか、いろいろな感染症が原因となることが多いとされていますが、一人ひとりの患者さんについてその原因を明らかにするのはなかなか困難です。
ペット、とくにイヌやネコを飼っていて、そのたむしが手についたということも考えられますが、この場合にはむしろ腕のほうが多いようです。症状が一週間以上もつづくようなら、皮膚科医に診てもらいましょう。

小学生の足の裏が硬く凸凹になった
小学生の子どもが、足の裏に硬い部分があり、そこの皮膚が粗く凸凹になっています。水虫でしようか
いぼ(正しくは足蹠疣贅(そくせきゆうぜい))だと思います。手の指などにできるいぽと同じ種類のウイルスでおこる皮膚病で、診断がつけば凍結療法など治療法があります。これらの治療も皮膚科医の仕事です。足の白癬とは関係ありません。

かかとの縁に黒いしみかできた
高校生です。かかとの縁に黒いしみができました。水虫の症状でしょうか。放っておいてもよいのでしょうか
質問からは、ブラック・ヒール(blackheel:文字どおりにいえば黒いかかと)という状態がもっとも考えられます。これは、剣道やバスケットボールなど、足を床に強くたたきつけるようなスポーツをしたときに、足の皮膚の血管がやぶれて小さい出血斑をつくるもので、かかとにょくみられます。放っておいても自然に治ります。足白癬とは関係ありません。
もし色素斑が1〜2個で、いつまでも同じ場所にあるか、周囲にゆっくり広がっていくようなときは、精密検査が必要な場合もあります。心配でしたら一度、皮膚科医の診察をうけてください。

汗かきの足で、むれてにおう
足に汗をかきやすく、むれてにおいます。水虫でしようか
これは足白癬ではありません。足の皮膚にまったく変化がなく、とくに若い人で足に汗をかきやすいという訴えはよく経験します。
湿気の多いところでは、いろいろな細菌が繁殖し、それらのつくりだした物質がにおいのもとになるといわれています。これを防ぐには、足を清潔にし乾燥させることがもっとも効果があります。
足を乾かすには、市販されている発汗防止作用のある薬剤を使うのも一つの方法ですが、効果は一時的です。
次に、靴下や履き物は、通気性のよい素材やデザインのものを選び、できるだけ何回もはきかえることです。足を洗って乾かすことについては、第三部のセルフケアの章を参照してください。

水虫に足先のしびれや感覚の鈍さをともなう

以前から水虫があります。最近、足先がしびれ、感覚が鈍くなったように感じます。水虫と関係ありますか?
まず関係ないと思います。白癬菌が寄生しているのは皮膚のごく表面で、そこには神経はありません。
また、白癬菌による病変が神経におよんで、神経をおかすことも考えられません。
症状が長くつづくようでしたら、一度、内科的な検査をうけ、糖尿病や神経の病気などがないかどうか確かめておいたほうがよいと思います。

かゆくはないか、足の皮がむける
足の皮がむけています。かゆくはありませんが、水虫でしょうか
このページでは、いわゆる一般的な意昧での水虫と、カビによる病気の足白癬を区別する立場で書いています。質問は、かゆくない足白癬があるか、ということだとしてお答えします。
かゆくない足白癬はあります。足の指のあいだがかゆかったのでみてみたら、足白癬ができていた。
つまりそれまではかゆみがなく気がつかなかったというケースもありますし、足の皮がむけてくるタイプや、角化型という皮が厚くなるタイプの足白癬では、かゆみのないのがむしろふつうです。このため、皮がむけているだけでは、足白癬とほかの皮膚病との区別がつかないことになります。
さきの質問でも答えましたが、足白癬の症状はさまざまです。確実に診断し治療するためには、専門医による検査が不可欠です。

足の指のあいたがふやけて、皮がむける22歳の女性です。二か月ほど前から足の指のあいだがふやけてじめじめし、皮がむけるようになりました。水虫になったのでしょうか
質問の症状が、昔から一般に水虫といわれてきたものです。この方の場合、とくに白癬菌の感染による足白癬の可能性が高いと思います。
足白癬かどうかは、皮膚の一部を取って顕微鏡で検査し、白癬菌がいるかどうかで確認します。同じような症状は、足を長いあいだ湿らせておいたときや、細菌の感染によってもおこります。したがって、皮膚科医の診察をうけ、正確な病名にもとづいた、適切な治療を心がけてくださ

足の裏に小さな水ぶくれがてきて反がむける
20代の男性です。夏になると足の裏の周辺部に小さな水ぶくれができて、ぽろぽろ皮がむけます。水虫と思うのですが、かゆみはほとんどありません。このようなタイプの水虫もあるのでしょうか
これは小水疱型(しょうすいほうがた)の足白癬と思われますが、靴の革やゴムなどいろいろな物質によるかぶれや、たまには掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)とよばれる病気でも同じような症状をおこします。そこで、的確な治療のためには、皮膚科医の診察大價査が必要です。
小水疱型足白癬では一般にかゆみがありますが、ときにはまったくない患者さんもあり、症状だけでは病名を区別することはできません。
また夏には足がむれる機会も多くなるのて同時にかぶれなどもおこりやすくなります。専門医への受診をおすすめします。

20代の男性です。小水疱型(しょうすいほうがた)の水虫と長くつきあっていますが、このところ足の甲にも水疱ができるようになりました。水虫が広がってきたのでしょうか
足の甲の水疱が足の裏の小水疱型足白癬と連続していれば、同じ病気の可能性は非常に高くなります。
足の裏の病気が小水疱型足白癬とはっきりわかっており、患部のまわりをふくめて十分に治療しているにもかかわらずこのような症状があらわれてきた場合には、少し注意が必要です。
足の甲に小水疱ができる病気としては、ほかにかぶれや掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)などいくつかあります。とくに足白癬の治療薬(外用抗真菌剤)によるかぶれは、
薬をつけるほど症状が強くなるということもあるので、一度、皮膚科医とよく相談してみてください。

冬に足の裏が硬くなって、ひび割れる

43歳の主婦です。冬になると、足の裏が硬くなってひび割れてしまいます。夫も同じ症状ですが、二人とも痛くもかゆくもありません。単なる体質と考えてよいでしょうか

いろいろな皮膚病で足の裏が厚く硬くなります。
単に体質だときめつけてしまわず、皮膚科医の診察をうけるようにしてください。
足の裏が硬く、ひび割れてくるような病気としては、
①遺伝性の角化症
②角化型足白癬
③革や金属によるかぶれ(接触皮膚炎)、あるいは金属にたいして過敏な人の、口腔内の金属などにたいする反応性の皮膚の変化
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

などがあり、またまれですが、梅毒や内臓の悪性腫瘍、ヒ素中毒などでも、同じような症状がみられます。
これらの場合も、とくにかゆみの有無だけではどれと決めることはできず、専門的な検査が必要です。
症状をチェックするうえでは、両方の手にも同じような変化があるかどうかがだいじなポイントです。
両手にまったく変化がないか、片方の手だけに同じような変化があれば、白癬が十分に考えられます。
また、爪に変化があるかどうかなども、たいせつなチェックポイントで、最終的には白癬菌がかかわっているかどうかを検査で確かめることが必要です。
足の白癬だとすれば、早めに治療が必要です。さらにすすんで爪の中にまで白癬菌が入ってしまうと、治療がむずかしくなりますし、治療しないまま放っておくと、家族や共同生活者への感染源となります。
この方の場合、夫婦ともに同じ症状があるとのことですので、あるいは夫婦どちらかの足白癬が相手にうつったことも考えられると思います。二人そろって診察をうけるようにおすすめします。

水虫の足が腫れてきた
40代の男性です。20年以上も水虫とつきあっていますが、このところなんとなく足が腫れてきたように感じます。早く病院へ行ったほうがよいでしょうか
その水虫は、どんなところにどんな症状であるのでしょうか。もし足の指のあいだがひどく湿って白くなり、ただれているようでしたら、足白癬が悪化したための足の腫れが考えられます。この場合、ふつうは片足だけにみられますし、足の指の変化のあるところの周囲に多少とも赤みがあったり、痛んだりします。ときには、脚のつけ根のリンパ節が腫れて痛むこともあります。
両足とも、とくに炎症がないのに腫れているようでしたら、腎臓病をはじめとする内科的な病気の可能性もあります。とくにすね(下腿)の部分を指で押してへこむようなら、要注意です。
一度、皮膚科医の診察をうけることをおすすめします。

これまで何年もつきあってきた水虫が、急にひどくなって、ただれるようになりました。水虫に湿疹やかぶれ、感染が合併することもあると聞いています。
こうした場合を、症状から見分けることはできるでしょうか
水虫や足白癬が悪化してただれたり、ひどいときには歩くのもやっと、といった患者さんをときどきみることがあります。水虫のもっとも重症型といえるでしょう。このような症状の多くは、足の指のあいだの足白癬を放っておいて湿った状態になり、そのうえに細菌が増えてきたことからはじまります。
ところで、このように湿った状態になると、その部分の白癬菌は逆に減ってきます。一般に足の指のあいだの白癬は、実際には白癬菌をはじめとするカビと細菌が混じりあった複合的な病変です。乾いたときには白癬菌が優位になり、湿気が強くなると細菌が優位になるというとらえかたも可能です。もちろん、湿った病巣には種々の細菌がつきやすく、ときには悪臭を放つ真の細菌感染となる場合もあります。また湿疹やかぶれが合併すると、これらの症状をさらに強くします。
専門医の目でみれば、このようになる前の初期の症状を早めにキャッチし、適切な手を打つことが可能です。しかし、実際には、症状が悪化しはじめると、数日のうちに急速に進行します。そのため、皮膚科で診てもらうのが間に合わないことが多いようです。このようなことにならないためには、以下の予防的な処置を心がけてください。
①足の指のあいだはなるべく清潔にし、乾燥を心がける。とくにぬらしたあとは注意する
②通気性の悪い靴を避ける
③抗真菌剤、とくに外用剤は指示されたとおりに使用する。効果がみられないか、あるいは逆にかゆみがでたり悪化するようなら、早めに主治医に相談する
質問の方のような場合は、なるべく早く皮膚科医の診察をうけるようにしてください。

主婦湿疹と水虫のちがい

30代の主婦です。手の荒れがひどくて、ハンドクリームを塗っても治りません。手の水虫でもこのような症状がでると聞いたことがあります。いわゆる主婦湿疹と水虫はどのようにちがうのですか
まず、一般に手の水虫といわれている手白癬の症状の特徴からあげると、
①片手にだけできることが多い
②指先よりは手のひらに症状が強い
③かゆみはまれである
④みずぶくれはあまりできない
⑤足に白癬をもつ人に多い
⑥爪の周囲が腫れたり、赤くなったりすることはない
⑦菌が爪の中にまで入ると、爪は白く濁り、ひどくなるとぼろぼろにくずれる

次に、いわゆる主婦湿疹の症状としては、
①指先や指の側面に症状が強い
②利き手の側に症状が強く、冬に悪化する傾向がある
③ときにかゆみがある
④小さい水ぶくれが混じっていることがある
⑤足の白癬とは無関係である
⑥ときに爪の周囲が赤く腫れることがある(ただしこれはカビの一種であるカンジダの感染でもみられる)
⑦爪は凸凹の変化が主で、くずれることはない
などです。

主婦手湿疹と水虫の違い

主婦手湿疹と水虫の違い

質問の方の症状は、確かに手の白癬も十分に考えられますが、季節による症状の変動などはいかがでしょうか。一度、皮膚科医に診てもらって、真菌検査などによる正確な診断を下してもらい、そのうえで治療をうけられるようおすすめします。

足の裏の皮が厚くてがさがさになる
63歳の男性です。足の裏の皮が厚くて、がさがさになっています。手入れはどのようにしたらよいのでしょうか
手の皮膚はどうでしょうか。むし片手の皮膚が厚くなっているようだと、足の変化は白癬によるらのである可能性が高くなります。足の爪に白く厚くなっているところがあれば、可能性はますます高くなります。というのは、足の裏の皮は年齢とともに厚くひび割れしやすくなりますが、63歳という年齢にしては、皮膚の変化がやや強いと思うからです。
一度、皮膚科医の診察をうけられたほうがよいと思います。
もしカどによる病気である足白癬でなければ、かぶれなど、いくつかのよく似た病気もふくめて鑑別が必要になります。そして、その病気しだいで治療法がまったくちがってきます。
足白癬だった場合には、家庭内での感染源になっていた可能性もあります。場合によっては、家庭のほかのメンバーもふくめて検査することになります。

片方の足の裏だけ皮がはげる
73歳です。右の足の裏だけ皮がはげています。かゆみはありません。治療法はありますか
片方の足の皮だけがむけた状態は、足白癬が強く疑われます。爪の変化はないでしょうか。このようなタイプの足白癬は、かゆみがないのがふつうです。まず皮膚科で診断をはっきりさせてください。よい治療法がかならずあると思います。

片麻痺の足の指のあいだの皮がむけている
78歳です。脳卒中による片麻痺があり、右足が動かず、その足の指のあいだの皮がむけています。放っておいてもかまいませんか
要注意です。足白癬の可能性があります。できれば皮膚科で白癬菌の検査をしてもらってください。
足白癬であれば、ふつう外用抗真菌剤による治療を行うわけですが、この際、なるべく足の指のあいだが乾いているようにしてください。指の動きが悪いからと、指のあいだを温ったままにしておくと、白癬が治りにくくなるだけでなく、薬によるかぶれも多くなります。
白癬菌が見つからなければ、日常の足のケアだけでよいと思います。足のケアについては第三部のセルフケアを参照してください。

薬の効かない足の裏の水ぶくれとかゆみ
69歳の男性です。足の裏に水ぶくれができ、かゆみがあります。いろいろ薬をつけていますが、効きめがありません
考えられることは、

①足白癬
②①の治療中にできた薬によるかぶれ
③掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

などです。

薬をつけはじめたときの、最初の診断はどこでついたのでしょうか。もし皮膚科医による検査で足白癬の診断がついており、その後、薬が効かないということであれば、②が考えられます。ほんとうに足白癬であれば、現在、多数ある薬のうち、どれかは効くだろうと思います。もう一度皮膚科で検査をうけてみてください。もしそこに白癬菌がいなければ、③の掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)も考えられます。
これらの病気は、それぞれ治療法がまったくちがいます。そして、悪いことに、はじめ足白癬であったものが途中でかぶれになるということもよくあるのです。やはりきちんと診察をうけて、むっとも適した治療をつづけられることがたいせつです。

足の爪が白くなって欠ける
40代の男性です。一年ほど前から足の爪が白く厚くなって、ぼろぼろ欠けるようになりました。長年水虫がありますが、爪の中に菌が入り込んだと考えるべきでしょうか
爪白癬がもっとも考えられます。ほかの皮膚病でおこった爪の変化では、爪が白く厚くなることはあっても、ぽろぽろくずれるようなことはまずありません。質問の症状は、爪の中に白癬菌が入って、爪を壊したことを意味します。
爪白癬の場合それ以前に数年以上にわたって足白癬があり、そこから爪の中に菌が入るケースが非常に多いようです。この意味からも、足白癬を適切に治療しておく必要があります。

足の爪が白く濁り、厚く変形する

67歳の女性です。足の爪がうすく白く濁り、厚く変形しています。爪の水虫でしょうか
爪はたくさんの原因で似たような症状になるため、もっとも診断のむずかしい部位です。
爪の水虫、つまり爪白癬=爪水虫のときには、爪(爪甲)は一般に白く、厚くなります。さらに変化がすすむと、ぼろぼろにくずれます。しかし、爪の水虫が白色以外に黄色くなった例もありますし、また厚さがほとんどかわらないものもあるという具合で、症状も一様ではありません。白癬菌以外のカビが爪に入ることもあります。このときも、症状は爪白癬によく似てくることがあります。またカビ以外、たとえば爪の周囲に細菌の感染がおこったときも、爪の変形や着色をおこしますし、極端な場合、乾癬(かんせん)とか掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)などの、カビとはまったく関係のない病気でも爪白癬=爪水虫そっくりの症状を示すことがあります。むろん、これらの病気ごとに治療もちがってきます。
いろいろな症状と検査の結果を組み合わせて診断と治療を決めるのが皮膚科医の仕事です。まず、皮膚科医と相談してみてください。

足の爪を強く打ったあと、白く変色して厚くなる
足の爪を強く打ったあと、爪が白く変色して厚くなりました。放っておいても治るでしょうか
爪が黒くなっただけであれば、放っておいても治りますが、白く厚くなった場合には、けがをきっかけに爪の中にカビが入ったことも考えられます。顕徴鏡検査てカビがいるかどうかの確認が必要です。
もしカビが入ったものなら、放っておくと広がってしまうこともあるので、治療をうけるようにしてください。

足の爪の先端か半分白くなる
36歳の主婦です。数本の足の爪の先端が半分白くなっています。爪の水虫でしょうか。治療はどうしたらよいのでしょうか
これは爪甲剥離症という病気でカビが原因という説もありますが、ほとんどは無関係です。指先が軽い炎症をおこしたために、爪がその下の皮膚からはがれたむので、慢性の刺激でもおこりますが、大部分は原因不明です。したがって、的確な治療もありません。
ただし、このまま放りておくとカどがつきやすくなることは十分に考えられます。皮膚科医に相談し、治療をうけられることをおすすめします。

たむし、しらくもの症状
若い主婦です。最近、たむしやしらくもがまた増えていると聞きました。どのような症状がでるのでしょうか。まだ小さな子どむがいるので、こうした病気にかかったらどうしようと心配です
頭の白癬つまりしらくもは、第二次世界大戦前には子どもの皮膚病のうちでもっとも多いものでした。その後、一時、日本からほとんど姿を消していましたが、1970年代からふたたび目につくようになりました。これはたぶん輸入ペットについて日本に侵入した、大小胞子菌といわれるイヌやネコの白癬菌によっておこされた頭部白癬です。
現在、この菌は日本中に分布しており、とくに子どむのたむしやしらくもの原因菌として重要です。
1980年代末の調査では、長崎市のペット(ネコ)の約三分の一がこの菌をもっていました。
この菌によるたむし、つまり体部白癬は、主にペットとの接触の機会の多い顔や腕に、小さい赤い斑点としてみられます。一度に数個できるのも特徴です。
しらくも、つまり頭の白癬は、初期には白いふけとかゆみだけのこともあり、ふつうのふけや湿疹とまったく区別できません。ひどくなると、ふけが多くなるとともに、一部にびらんやかさぶたをつくります。
しらくもは、現在まで頻度が少なかったため、頭の湿疹などとまちがわれやすく、副腎皮質ステロイド剤を使用したためにケルスス禿愉(ケリオン)とよばれる強い炎症性の病変となることもあります。
大小胞子菌以外にも、副腎皮質ステロイド剤を使用したために紅色菌によるたむしが全身に広がった病変も増えています。
副腎皮質ステロイド剤を使ってもよくならない湿疹様病変にたいしては、カセイカリ鏡検法によるカビの検査を行うことは、現在皮膚科医の常識になっています。

水虫菌が頭につくとはげてしまう場合があると聞きました。どのような症状に注意すればよいでしょうか。一般にもおこりやすいのでしょうか
足白癬の原因菌である白癬菌は、皮膚のもっとも外側にある硬いたんぱく質(ケラチン)でできた角層の中で増え、病気をおこしてきます。
わたくしたちのからだはすべて、この角層でおおわれており、爪や毛もそれが特殊に分化したものですから、これらすべての場所で白癬菌は病気をつくることができます。ただし、頭部白癬の頻度はあまり多いものではありません。
頭髪などに白癬菌が寄生すると、毛の周囲に白い小さな鞘のようなかたちに菌がつく場合もありますが、多くはそこから毛の中にも侵入し、毛を壊してしまいます。つまり、はげになるわけです。ただし、このはげは、ときどきみられる円形脱毛などにくらべて境界があまりはっきりしないことが多く、また途中で切れた毛が、黒い小さい点として地肌に残っ
ていることもあります。したがって、症状である程度区別をつけることも可能ですが、やはり最終的にはカセイカリ鏡検法によって、毛の中あるいは外に白癬菌が寄生していることを証明しなければなりません。
最近の頭部の白癬は、ペットのイヌやネコなどについている犬小胞子菌が頭髪についたためにおこるものと、足に白癬があって、そこから指などによって頭の毛に菌がついて広がっていく、紅色菌によるものが大部分を占めています。ただし、紅色菌の場合、ただ菌が頭についただけでは白癬の病変をつくることは少なく、その上から副腎皮質ステロイド剤などを使用したときにはじめて症状があらわれます。
ペットを飼うときには十分に注意し、また足の白癬をしっかり治療することを考えてください。
とくに足の白癬を放っておくと、自分自身のほかの皮膚への感染源になると同時に、周囲の人へも迷惑をかけることになります。
ペットから感染するのは、ほとんどが子どもですが、その理由ははっきりしません。皮膚に分泌される脂漏に白癬菌を抑える作用があるともいわれており、大人と子どもではこの量に差があって、子どもが感染しやすい結果になっているとも考えられます。

偽水虫を見分けるポイント

水虫とまぎらわしい病気があると
聞きました。症状で見分けることは可能ですか。偽水虫を疑うべきポイントがあれば教えてください
このページでは、水虫という言葉を、ごく一般的な意味で、「足にできて、皮がはげてかゆくなるような病気」として扱い、それが白癬菌というカビの一群によっておこされている場合には足白癬という用語を使っています。そうすると、この質問は、一般に「水虫といわれる病気のなかで、足白癬とそれ以外の病気を症状で見分けることができるか」ということになります。
これはある程度まで可能です。
次に偽水虫、つまり足白癬でないと疑うポイントということになりますが、以下のように分けることができます。
①抗白癬剤をつけても、よくならないときまず、抗白術剤をつけてもよくならないときには、とうぜんのことながら偽水虫を疑うべきでしょう。しかし、現実には水虫の薬をつけてもよくならない、といってこられる患者さんがたくさんいます。
この場合の水虫薬は足白癬にたいしてのくすりのことですから、その足白癬の原因菌が、使った抗真菌剤に耐性をもっていることも考えられます。そうでなければ、足白癬以外の病気を考えるべきで

②かぶれのとき
ときに、使っている抗真菌剤にかぶれることがあります。かぶれの原因となるものとしては、そのほかに、靴やサンダルなどの履き物、足のにおいをとるための消臭剤やパウダー類などがあります。これらを使いはじめた時期と、皮膚がおかしくなった時期がいっしよだとしたら、かぶれを考えるべきでしょう。

③土ふまずに水ぶくれや膿をもった水ぶくれがある

水ぶくれや膿をもった水ぶくれが主に土ふまずにできていたら、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)という病気が考えられます。
このほかにも足白癬に似た病気はたくさんあります。ある程度は症状からだけでも推測できますが、足白癬かどうかの確認には、やはりカセイカリ鏡検法とよばれる顕微鏡検査で、その部分に白癬菌がいるかどうかを確かめなければなりません。早めに皮膚科医と相談されることがたいせつです。

水虫の一般的な検査

水虫で皮膚科にかかろうと思っています。どのような検査をうけるのですか。痛みはありませんか。検査結果はすぐにわかりますか
受診する前に一度、次のような点を整理してみましょう。

①その病気がいつから、どこの皮膚からはじまったか
②これまでどのような医師から、どんな治療をうけたか
③家庭内、あるいはまわりの人に同じような病気の人はいないか
④これまでにかかった主な病気、あるいは現在治療をうけている病気とその治療
整理は、わかる範囲でけっこうです。メモにしておくと、まちがいが少なくなります。
そのうえで、保険証や紹介状を持参し、現在ほかの病院で治療をうけている病気があれば、そのくすりをもって受診するようにしてください。
診察は、患者さんが現在問題としている症状をみることからはじまります。場合によっては、現在皮疹がない場所も診察することがあるので、衣類は簡単に脱ぎ着できるものにしてください。
病変が白癬かどうかを確認するためには、最終的に真蘭検査を行います。カセイカリ鏡検法と培養法がその主なものです。いずれも皮膚の一部を少しはぎとり、それを試料とします。ふれるのはごく表層だけなので、まったく痛みはありません。
カセイカリ鏡検法では、はがした皮膚の小片に20%程度のカセイカリ液をかけ、角層を溶かしたあと、顕微鏡でその中のカビを兄つけます。早ければ5分くらい、爪などの硬いものでも30分以内に結果がわかります。費用らたいしてかからないのて皮膚科の臨床現場でもっとも幅広く用いられています。培養法とは、カビにとって好適な栄養分を寒天などで固めたもの(培地)の表面に皮膚の小片をのせ、そのうえでカビが生えてくるのを待つ方法です。細菌の感染症などで用いられている方法と、ほぼ同じです。病気の原因になった菌の種類がわかりますが、カビは発育が遅いので、結果がわかるまで少なくとも二週間くらいかかります。次の質問も参考にしてください。

水虫の原因菌の調べかた
水虫菌にはいろいろな種類があると聞きました。どんな菌が原因菌か調べるのは簡単ですか。また、治療をうけるうえで、菌の種類を知っておく必要はありますか
水虫菌、つまり白癬菌にはいくつかの種(species)があります。あなたの足白癬がこれらのどの菌でおきているかを調べるには、病変部から培養法を用いて菌を生やし、検査によってその菌の種名を確かめます。
現在、わが国の足白癬の原因菌としては、趾間菌と紅色菌が代表的なものです。趾間菌は趾間型足白癬や小水疱型(しょうすいほうがた)の足白癬をおこすことが多く、角化型足自棄や爪白癬=爪水虫になることはまれです。これにたいして、紅色菌は放っておくと角化型足白癬や爪白癬になり、非常に治りにくくなります。

このような意味から、同じような治療をするにしても、できれば培養によって原因菌の種を知っておくのがよいのです。もし紅色菌ならば、いっそう根気強い治療が望ましいということもできます。しかし、実際には培養法はあまり一般的ではなく、かぎられた施設で行われているのが現状です。菌種による薬剤の効きかたの差は、少しはありますが、実用上問題とするほどではありません。

水虫とよく似た病気の鑑別法
水虫だと思って病院に行っても、みずむしのカビによるものでない場合も多いと聞きました。このような病気を区別するには、どんな検査が必要ですか
一般に水虫とよばれている皮膚の症状は、白癬菌以外にもいろいろの原因でおこります。白癬菌によるもの、つまり足白癬かどうかは、患部に白癬菌がいるかどうかを検査で確かめてはじめて決まります。検査ではふつうカセイカリ鏡検法が用いられていますが、これは検査材料を取るときの痛みもなく、結果も10分程度でわかるすぐれた方法です。
皮膚科医にとって、足の皮膚病とカセイカリ鏡検法は、まず切り離すことのできないたいせつな検査法です。

水虫の治療と予後

50代の男性です。ずいぶん長くみずむしに悩まされています。この病気は、症状がよくなっても完治することはないというのはほんとうですか
この場合の水虫が足白癬であれば(たいていの場合そうですが)、答えはノーです。
趾間型足白癬や小水疱型足白癬を外用抗真菌剤で治療すれば、四週間で80%近くの患者さんは症状がいちじるしく軽快し、一部の患者さんでは肉眼的にまつたく病気がなくなるところまできます。
ではなぜ、水虫は完治しないなどの考えがあるのでしょうか。
多くの患者さんは、症状が強いときにはこまめに治療しますが、数週の治療で症状がなくなってしまうと、とたんに治療を中止してしまいます。四週間くらいの治療で中止すると、まず100%菌は生き残っており、やがて再発します。角化型足白癬や爪白癬=爪水虫では治療期間はさらに長くなります。
それでは、このような足白癬の病変にたいして、どのような治療を、どれくらいの期間つづければ再発をおこさないのか、ということですが、これがわかっていないのです。しかし、わたくしの病院の外米で治療を行った患者さんのなかには、非常に少ないながら、完治したと判断できる方が何人かいます。要は根気と、情けないいいかたですが、病状しだいだとしかいえないのです。

市販薬で水虫を治せる場合
市販薬で水虫を治せるのは、どんなときですか。軽い場合にも一度は病院へ行ったほうがよいでしょうか
この質問に答えるには、まず足の皮膚病の正確な診断を知る必要があります。一般に水虫といわれている皮膚の変化が、すべて白癬菌の感染による足白癬とはかぎらないからです。あるいは、足白癬に二次的にかぶれなどがおこっていることもあるかもしれません。
まず必要なのは、その病変部に白癬菌がいるかどうかを確かめることです。簡単な検査でわかりますが、判断には専門的な知識と鑑別眼が必要です。ぜひ皮膚科医の診察をうけ、治療方針を決めてもらってください。理想的には、その後も定期的に診察をうけて、そのときの病気の状態にもっとも合った治療をつづけるのがよいでしょう。
しかし、いろいろの理由で専門医への受診をつづけることができない人もいます。このような場合、市販薬を購入して治療することになりますが、その際、主治医に事情を話して、薬剤名や治療法などの指示をうけてください。このようなことを主治医に話すのに、ちゆうちょすることはありません。そしてできれば定期的にその主治医の診察をうけ、指示の変更がないかどうかを確かめることが望ましいと思います。
わたくしの経験でも、いいかげんに市販薬を選んで治療をし、かぶれなどで症状をひどくして受診される患者さんがときどきみうけられます。このような場合、治療に非常に手こずることになります。

水虫の市販薬の成分

水虫の市販薬はたくさんありますが、成分は薬ごとにちがうのでしょうか。どのような症状にどんな成分のくすりが効くのですか
市販薬つまりOTC薬は、医師が処方する薬(医家向け薬品)にくらべて、主成分の濃度を低くしてあるのがふつうです。また、対象とする病気に特有の症状をやわらげるための薬が配合されています。つまり、市販薬は医家向け薬品にくらべて、作用を弱くして副作用をでにくくするいっぽうで、症状を早くとることに重点をおいています。これにたいして、医師は、病気ごとにいくつかの薬を組み合わせて、より早くその目的を達しようとするのです。
足白癬の市販薬についていえば、成分として抗真菌剤のほかに、かゆみや炎症を抑えるための抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤などが配合されています。
主成分である抗真菌剤の種類や抗ヒスタミン剤など配合剤について薬剤ごとに少しずつちがっていますが、実用上で差がでるほどのものではありません。また、薬剤間には、症状によって使い分けるほどの効きめの差はありません。

水虫薬が効くときと効かないとき
友人によく効く水虫薬を教えてもらいましたが、同じような症状なのにわたくしにはあまり効きません。人によって薬の効きめはちがうのでしょうか
一般に水虫とよばれる症状をおこす原因はさまざまで、あるいは同じ原因でも、症状は一人ひとりでちがいます。ある人にはよく効く薬も、ほかの人にはまったく効かない場合があるのはとうぜんなのです。やはり薬は、まず正確な診断のもとに、その原因や症状にもっとも合ったものを選ばなければなりません。
わたくしたち皮膚科医がもっとも苦労するのも、その点です。まったく同じにみえる病変が、同じくすりを使って治療しても、ちがう反応をすることがあるのです。これがわたくしたちの悩みでもあります。

市販薬を求めるときの注意について教え
てください。薬局で相談する場合、症状をどのように伝えればよいでしょうか。くすりが効いたかどうか、どれくらいでわかりますか
薬局で水虫の薬を求める前に、まず診断を確実にする必要があります。一般に水虫といわれている皮膚病は、さまざまな原因でおきています。そこで、ほんとうはまず皮膚科の専門医の診断をうけ、的確な診断にもとづいて薬を選ぶのが理想です。しかし、水虫の場合、往々にして、その症状にもとづいて市販の外用抗真菌剤で治療されているのが現状です。これはひとつには、みずむしという言葉じたいがもともと俗称で、医学的にいう足白癬とその意味するところがややくいちがっていることも、その理由のひとつとしてあげられるでしょう。
したがって、はじめにものべたように、薬局で市販薬を求める場合、この方の足の病気がこれまで皮膚科医に足白癬と診断されたことがあるかどうかがいちばんだいじです。

足白癬の症状を大まかにのべると、
①足の指のあいだがふやけて、あるいはただれているもの(趾間型足白癬)
②足の裏などに小さい水ぶくれができるもの(小水疱型(しょうすいほうがた)足白癬)
③足の裏全体が厚くて硬くなり、皮膚がはげたりひび割れたりするもの(角化型足白癬)
に分けられます。
現在市販されている外用抗真菌剤は、とくにどの症状に合っているというものは少なく、つけ心地のよいもの、くらいの気持で選ばれて十分だと思います。
薬が効いたかどうかは四〜五日でわかります。
もしこの期間にかゆみが強くなったり、ただれたりなど、逆に症状が強くなったら要注意です。そのままつづければ、かぶれをおこす危険性が非常に高いと思います。

市販の水虫薬がしみるとき
市販の水虫薬がかなりしみます。しみるほうが効くという人もいますが、ほんとうでしょうか
しみるのは要注意です。外用抗真菌剤には、使用したときの清涼感をだすためにアルコール類を配合したものがあり、つけたときに皮膚を少し刺激するものがあります。人によっては、その感じを好む向きもあるのは確かです。このまま治療をつづけて症状が軽くなってくればよいのですが、悪くなるようでしたらすぐに薬をやめて、皮膚科医の検査をうけられることをおすすめします。

水虫薬によるかぶれの予防
知人に、水虫の市販薬を塗ってかぶれた人がいます。薬がからだに合わなかったのでしょうか。市販薬を使用す
るときに注意すべきことがあれば教えてください
これは、薬がからだに合わなかったというよりも、その皮膚病の原因や症状に合わなかったのです。かぶれは、外用抗真菌剤の副作用のうちでもっとも多いむのです。十分に注意してください。副作用を予防するために注意すべきこととしては、
①正確な診断にもとづいて治療薬を選ぶこと
②おこりやすい副作用を十分に知って、その初期の症状を見逃さないようにすること
③副作用と思われる症状がおこったら、ただちにくすりをやめ、皮膚科医の判断をあおぐことがあげられます。
外用抗真菌剤についていえば、まず皮膚科医にかかって診断を決めること、それにもとづいて症状に合うと思われる薬剤を選ぶことがたいせつです。実際に薬を使ってみて、かゆみが強くなったり、小さい水ぶくれやただれができたら、かぶれの初期と考えてください。すぐに薬を中止し、皮膚科医の診察をうけることです。

市販薬での治療の限界と病院での治療

30代のOLです。長年水虫に悩んでいますが、最近、腫れてじくじくするようになりました。市販薬での治療はもうむりでしょうか。病院へ行けばきれいに治りますか
質問の水虫は、おそらく仕事で長く靴をはいていなければならないという条件に、これまでの不適切な市販薬での治療があわさって悪化した状態だと考えられます。これまでにいろいろ市服薬を試み、それでもよくならなかったのでしょうから、たぶん、このままの治療をつづけても悪化する可能性のほうが大きいと思います。すぐに皮膚科医の診察をうけることをすすめます。
わたくしのところにも、年間3〜4名このような患者さんがこられます。この際いちばん困るのが、はたしてこれまでの生活習慣のままで外来で治療が可能かどうかということです。納得のいく治療ができれば、満足のいく結果がかならずでるとはいえますが、病院に行きさえすれば、きれいに治ると思われても困ります。
はじめにものべましたように、水虫の悪化の原因のひとつに、長時間靴をはきつづけなければならないということがあげられます。靴をはいているために、足の指のあいだがどうしても湿ったままになりがちですし、歩くとその部分がすれて、さらに症状が悪化するのです。この悪循環を断ち切るためにいちばんよいのは入院ですが、外来で治療する場合はとにかく安静にして、指のあいだを乾かすことです。それと同時に、その水虫が悪化した原因を一つずつ取り除きながら治療をつづけます。腫れてじくじくになった状態には、まず細菌の感染も加わっていますし、場合によっては、薬などによるかぶれも加わっていることもあります。これらの一つひとつの条件に的確に対応することは、わりあいにむずかしいものです。とにかく、こじれればこじれるほど、治るまでの時間が長くかかることだけは確かです。

自己治療と受診のめやす
水虫の自己治療はどこまで可能ですか。病院へ行くべき場合とは、どのような症状のときですか
理想的には、足の水虫に気づいたとき、皮膚科医の診察をうけてもつともよい治療薬と治療法の指示をうけるのが望ましいのです。しかし、いろいろな事情でまず市販薬で効果をためしてみて、うまくいかなければ皮膚科医へ行くというのが一般に多以上のことを念頭において、市販薬を使うようにしてください。薬を使うと同時に、患部を乾かすことと、なる、べく安静にしておくことがだいじなのです。
数日間薬を使ってみて症状がよくならないときは、その薬が病気の状態に合っていないと考えられます。ここでさらに別の薬にかえて、もう一度市販薬での治療を試みることもできますが、なる、べくなら、早い時期に皮膚科医に診てもらう、べきです。わたくしは、重症の水虫の治療は、患者さんと皮膚科医の共同作業であるといつも思っています。
いやりかたでしょう。
これはちょうど、かぜをひいた場合とよく似ています。ただし、かぜと水虫とは少しちがう点があります。
まずかぜは、日常生活をつづけているうちに、かぜウイルスが偶然からだに入り込み、宿主側(つまりヒト)の抵抗力よりもかぜウイルスの病原性が上まわったときにかぜの症状をおこします。この場合、健康な人であれば数日間静かに寝ているだけで、免疫の力がはたらいてかぜのウイルスは抑えられ、病気は回復に向かいます。あるいはこの期間、かぜぐ
すりによって症状を抑えながら適当に仕事をつづけていても、いずれは自然回復が望めます。
いっぽう、水虫、とくに足白癬は、日常生活で足の指のあいだが湿るような状態のときにできます。つまり、いわゆる職業病的な面をもっています。
このため、症状がでる前と同じ生活をつづけているかぎり、単に薬を使っただけではなかなか症状がよくなりません。また、白癬菌にたいする免疫力も、数日のうちに症状をとるほどには強くはたらきません。

病院で使う水虫薬の特徴

病院では水虫にどのような薬を使うのですか。病院の薬は市販薬と内容がちがうのでしょうか
ここでも、これまでのように水虫を広い意味で使います。つまり、水虫とは、一般的な意味て足の皮がむけてくるような変化のすべてをふくみます。このなかではむろん、白癬菌による感染がもっとも大きなウェイトを占めていますが、このほかに、同じカビでもカンジダという種類や、さまざまな細菌による感染症、あるいは汗疱(かんぽう)、かぶれなどもふくまれます。
皮膚科の病院や診療所(開業医)でやることは、まず治療しようとする皮膚病がこれらのどれにあてはまるのかを決めることです。そのうえで、その病気あるいは症状にもっとも合った治療法と治療薬を選びます。そのためには、ときにいろいろな検査も必要です。そして、診断しだいでは、抗真菌剤、抗細菌剤のほかにノ副腎皮質ステロイド剤などさまざまな薬を使って治療します。
これらの薬は、基本的には薬局での市販薬と差はありません。しかし、全体として効力や濃度の高いものが使用されており、またいろいろな薬を配合した製剤よりも単品の製剤が多く使われます。
つまり、的確な診断をむとに、治療目的のはっきりした薬を使うということなのです。まず専門的な知識によって診断を確定し、それにもとづいたピンポイントの治療をめざすのが専門医の治療法なのです。

病院の外用剤による治療期間と完治のめやす
病院で水虫の外用薬をもらいました。治療には根気がたいせつといわれましたが、どれくらい塗りつづければよいのでしょうか。また、完治したかどうかは、どうすればわかりますか
外用抗真菌剤をどれくらい塗りつづけたら足白癬(水虫)が完治するのか、という質問ですが、これにはたぶん個人差も大きいでしょうし、はつきりした指標はありません。
また、治療法によっても結果は大きくかわってくると思います。目にみえる病変以上に、思いがけない広い範囲に白癬菌がいることがありますし、角化型では角層の深いところに白癬菌がいるため、その深さまで外用抗真菌剤が十分な濃度で到達しにくいこと、などがその理由です。
現在のところ、まずこれくらいの点に注意して、十分な初期治療を行い、足白癬がほぼ治った状態になっても、さらにコ〒四か月治療し、その後なにもしないで3〜4年後にも足白癬の再発がなければ、完治したと考えてよいと思います。この確認も、むろん皮膚科医の仕事です。

40代の男性です。角化型の水虫で悩んでいます。田心いきって病院で治療をうけようと思いますが、どのような内容の治療になるのでしょうか。治るまでの期間についても教えてください
角化型の治療でまず試みられるのは、グリセオフルビンという薬を内服する治療法です。1日2〜4回、各一錠ずつ食後に内服というのが一般的です。最近新しく市販されたイトラコナゾールという内服薬もあり、これも有効です。
費用の占でまずグリセオフルビンが第一選択となりますが、胃腸症状や肝臓の障害、あるいは日光にあたると皮膚炎をおこすなどの副作用がでてグリセオフルビンがのめないときには、ほかの内服薬あるいは外用剤を工夫して使うことになります。
外用剤を使用する場合、外用抗真菌剤を厚めに足全体に塗り、その上からうすいどニールフイルムなどでおおう密封包帯法(OcclusiveDressingTech‐nique略してODT)や、薬を塗った上からさらに尿素軟膏などを塗る重層法などがあります。いずれも夜間だけこのような治療を行い、口中はくすりを洗い落としたあと、単に新しく塗りつけるだけとします。最近市販された抗真菌活性の高い製剤では、軽症の角化型なら単に塗るだけでも有効なことがわかってきました。
治るまでの期間はさまざまです。まずグリセオフルビンなどの内服薬であれば、いちおう最低三か月は治療をつづける必要があります。ODT法などでは、もう少し短い期間で症状の改善が望める例もあります。
ただし、完治までの期間となるとさらに長くなります。わたくしの経験では、個人差はありますが、一年以上必要のように思います。また、爪白癬が合併していれば治療期間はさらに長くなり、完治までに二年以上かかることもまれではありません。

水虫で内服薬を用いることがあると聞きました。どのようなタイプの水虫に、どんな薬を使うのですか
抗真菌剤ののみぐすりとしては、グリセオフルビン、イトラコナゾール、テルビナフィン、フルコナゾールがあります。
グリセオフルビンの適応疾患、つまり保険診療で有効と認めている皮膚病は、「皮膚糸状菌による白癬、黄癬、渦状癬(かじょうせん)癬」となっています。黄癬、渦状癬(かじょうせん)は現在わが国には存在しませんので、皮膚糸状菌による白癬、つまり、しらくも、たむしをふくめて、すべての白癬に健康保険でグリセオフルビンが使えることになります。
いっぽう、イトラコナゾールの適応は、内臓真菌症、深在性皮膚真菌症(しんざいせいひふしんきんしょう)、表在性皮膚真菌症となっています。

水虫 内服薬

水虫 内服薬

つまりグリセオフルビンは白癬と名のつく病気だけに、イトラコナゾールはカビによるすべての病気に使えることになります。テルビナフィンやフルコナゾールなど、もうすぐ皮膚科の病気でも使えるようになる見込みの新しい内服用抗真菌剤の適応も、イトラコナゾールとほぼ同じです。
しらくもやだむしなどの一般的な白癬の診療においては、薬による適応範囲の差はでていません。
内服薬を選ぶのは、外用剤よりも治療効果や経済性で有利な場合、つまり次の二つの場合ということになります。
①外用剤が無効または効きにくい病型。つまり頭部の白癬(しらくも)、爪白癬=爪水虫、角化型足白癬や皮膚の深いところまで菌が入りてしまったいわゆる深在性白癬のとき
②外用剤による治療が経済的に劣る場合。からだの大部分に広がっている白癬などがこの例
グリセオフルビンとイトラコナゾールでは、前者のほうが以前から使われており、また薬価の面でも有利です。ただし、患者さんの白癬がグリセオフルビンで治りにくい、つまり薬剤にたいする耐性があると考えられるときや、その病変の原因菌として白癬菌以外のものも考える必要があるときには、イトラコナゾールが使われます。たとえば爪の水虫といわれる爪白癬では、症状だけでは白癬菌によるものか、そのほかのカビによるものかの区別がつかないことがあります。このような場合は、最初から
イトラコナゾールを使うこともあります。
イトラコナゾール以外の薬も、だいたいこれと同じと考えてよいと思いますが、将米いくぷんかわる可能性がありますので、細かい点は主治医にたずねてください。

水虫の薬をのむ期間と副作用
爪の水虫は長く薬をのまなくてはならないといわれていますが、なぜでしょうか。のむ期間がのびると、副作用が心配ですが、大丈夫でしょうか
爪の水虫(爪白癬=爪水虫)は、硬い板状の爪の中に白癬菌が侵入しておきるものです。爪はケラチンという硬いたんぱく質でできており、薬を塗ってもなかなか深いところまで届きません。このため、爪の水虫に外用抗真菌剤をいくら塗っても、効きめはないのです。このため、爪の水虫の治療には抗真菌剤ののみぐすりが使われます。現在は、グリセオフルどンという薬が主に使われていますが、近い将来、もっといろいろな新しい薬がでてくるものと思われます。
グリセオフルビンは白癬菌にだけ有効で、しかもその作用は静菌的といわれています。つまり白癬菌にグリセオフルビンを使用しても、通常、治療に使われるくらいの量では菌を殺すまではいかず、単に菌の発育をとめるだけなのです。しかし、爪はつねに根もとのところから新しく生えてきており、先端を切ると生えかわります。ですから、薬をのんで菌を抑えておけば、そのうちに菌が全部でていってしまうだろうというわけです。
爪が生えかわるまでには、手の場合で二か月、足では六か月以上かかります。つまり、この期間、ずっと薬をのんでいなければならないことになります。
では、薬の効きめを高めようとして量を増やせば、どうなるでしょうか。薬の量を増やすと、菌に作用する濃度が上がると同時に副作用も多くなります。将来、もっと低い濃度で白癬菌を殺し、爪の中にも容易に入っていくような内服薬ができるか、あるいは外用抗真菌剤を、菌を殺すほどの高い濃度で爪の中に入れる方法が見つかれば、治療期間を短縮できる可能性はあります。
グリセオフルビンにもむろん副作用があります。多くは、胃が重い、胃が痛い、食欲が落ちるなどの胃腸の症状ですが、人によっては肝臓に障害がでたり、日光にあたると皮膚炎をおこしたりすることもあります。薬をのんでいるあいだはこれらの症状に注意し、必要な対応をしなければなりません。
また定期的に血液の検査をして、肝臓の障害を早く見つけるようにします。
現在開発中の内服薬のなかには殺菌的な効果をもつむのがあり、治療期間の短縮や治療成績の向上が期待されています。しかしいっぽうで、新しい副作用があらわれることも考えられますので、副作用には注意して使うようにしています。

水虫の薬をのめない場合

水虫の内服薬をのめないことがあると聞いていますが、どのような場合ですか。内服薬が使えないときは、こじれた水虫を治すのはむりですか?

水虫の薬をのめないのは、まず、これまでに内服用抗真菌剤によって皮膚に発疹がでたり、肝障害をおこしたりした人です。また症例は少ないのですが、ポルフィリン症とよばれる代謝異常症やエリテマトーデスという自己免疫性疾患などの疑いのある人も、これにふくまれます。病気ではありませんが、妊娠している場合もふくまれるでしょう。
皮膚科医は患者さんに薬をのんでもらう前に、あらかじめ、そのようなことがなかったかどうか聞き、もしそのような疑いがある場合、薬を中止するか、いろいろな検査で危険のないことを確認したうえで使用するようにしています。
次に、内服用抗真菌剤を使ったために胃の調子がおかしい、胃が痛いなどの症状がでる場合です。このようなときでも症状が軽い場合には、胃腸薬を併用することでこの薬を使用できる場合もあります。
最近問題となっているのが、お年寄りでいろいろな病気をもっていて、たくさんの薬をのんでいる人の場合です。内服薬の量をそれ以上に増やすと負担になるということもありますが、薬によっては、内服用抗真菌剤と併用するとそれぞれの副作用が強くでたり、思いもかけない副作用がでることがあるのです。したがって、患者さん一人ひとりが現在かかっている病気や使用している薬について、その内容を十分に知っておくことはたいへん重要なことです。しかし、なかなか徹底していないのが実情です。
次に、内服薬が使えない場合の対処法についてのべておきましょう。
こじれた水虫、あるいは一般に外用抗真菌剤では効果がないといわれる角化型足白癬や爪白癬=爪水虫で内服薬が使えない場合でも、工夫をこらせば外用剤である程度の効果はあがります。たとえば、外用抗真菌剤を厚めに塗った上からビニールフイルムなどでおおう方法(密封包帯法)や、尿素軟膏などと併用して薬剤の角質への浸透を高める方法などがあります。現在、内服用抗真菌剤を使えない症例にたいして、いろいろな方法が研究されています。決して悲観することはありません。

副作用の少ないのみぐすりの開発
副作用の少ない内服薬の研究が進んでいると聞きました。近い将来、こうした薬での治療が期待できるでしょうか
すべての薬について、より効果が高く、より副作用の少ない方向への改良が試みられています。
内服用抗真菌剤も例外ではありません。水虫にたいしては現在、グリセオフルビンとイトラコナゾール、テルビナフィンとフルコナゾールが販売されています。個人代行業者を使って海外から安く取り寄せることもできます。
グリセオフルビンは副作用の少ない薬として知られていますが、そのほかの薬も市販される以上、副作用の発生率は5%内外にとどまっており、さらに副作用の内容も胃腸障害などが大部分で、重い肝障害などの発生率はずっと低くなっています。
そして将来、さらに副作用の少ない薬ができる可能性は大いにあります。
しかし、副作用のまったくない薬はまずない、と考えてよいでしょう。そうだとすれば、それぞれの薬剤の長所と短所を十分に知り、さらにその薬剤を使って治療した場合の効果と、副作用などの不利益な面を天秤にかけて、薬を使いこなす必要があるといえます。

手の水虫の塗りぐすりの使い方

30代の女性です。主婦湿疹の検査で、じつは手の水虫であることがわかりました。塗りぐすりをもらっていますが、手は調理などで食べものに直接ふれる場所なので、塗るのが少し心配ですたとえば、最新の外用抗真菌剤には、一日一回使用するだけで十分効果のあがる薬があります。

この薬を夜に使用し、朝手をよく洗ったあと仕事にかかれば、まず薬の影響はないと思います。手を洗ったあと、皮膚の表面に残った薬が食、べものなどについたとしても、極端に微量なはずです。
これによる障害はとくに考えられません。しかし、これはやはり気分的な要素が大きいことと思います。
この場合、のみぐすりを使う方法があります。細かい処方などは省略しますが、十分に効きめがあります。もっともこのような場合でも、のみぐすりは腸管で吸収されたあと皮膚に運ばれ、角層の中に入ってはじめて効果をあらわします。したがって、のみぐすりであっても、やはり角層の中へ微量のくすりは入ってくることになります。

外用剤のタイプと効きめ
水虫の薬には液剤や軟膏などさまざまなタイプがありますが、薬のタイプによって使いかたや効きかたがちがうのでしょうか
たとえば、抗真菌剤として同じ薬剤をふくむ液剤とクリーム剤を使って、足白癬や体部白癬を治療した場合を考えてみますと、有効率や病巣から原因菌が消失する率などにはほとんど差のないことが、治療試験の際に確かめられています。
現在の外用剤は、主剤も、それを溶かしこんで剤型をつくるための基剤も、ともに非常に進歩しています。ですから、たとえばからだのどこに白癬があるか、その病巣が乾いているか湿っているか、などによって効きめに薬のタイアによる差がでることはまずないと考えられています。

外用抗真菌剤には、大きく分けて液剤と軟膏剤があります。
一般に軟膏剤といわれているものは、さらにほんとうの意味の軟膏剤とクリーム剤との二つに分けられます。この場合の軟膏剤とは、油脂性の基剤の中に主剤である抗真菌剤を溶かしたむので、皮膚に塗ると皮膚の表面が油で光ります。これにたいしてクリーム剤は、油脂と水を界面活性剤とよばれる薬剤で混ぜ合わせたもので、皮膚にうすく塗ってもほとんどみえません。クリーム剤は美容的にすぐれていることから、現在皮膚科領域でもっとも多く使用される剤型となっています。
液剤は、基剤として一般にアルコール類が使われていますが、最近の製剤は多くの成分が混ぜ合わせてあり、このため、いかにもアルコールといった刺激のあるものは少なくなっています。このように、クリーム剤と液剤の使用感が近づいたことも、病状による使い分けの必要がなくなった理由のひとつです。
わたくしは、液剤、クリーム剤あるいは軟膏剤のどれが患者さんに使いやすいか、あるいはどれが使用感がよいかによって、使用する薬を選んでいます。

外用剤ラミシールクリームなどの正しい使用法

外用剤の塗りかたについて教えてください。かゆい部分の外側にも塗れといわれていますが、どのくらいの範囲に塗ればよいのですか
かんたんにいえば液剤は塗るだけ、クリーム剤はすりこめばよいわけです。一日の使用回数はそれぞれ指示されています。
注意すべき点としては、塗り残した部分がないようにすることと、広めに塗ることです。ただし、どれくらい広く塗ればよいかというのは、むずかしい点です。少なくとも、目にみえる病巣から数センチの範囲には白癬菌がいることがわかっていますが、なかにはほとんど気づかないような微細な病変もあるので、まず病巣の範囲そのものが決めにくいのです。
わたくしの基準は、足の指のあいだにだけ病変がある場合、指全体もふくめて足の先2分の1くらいまで塗ってもらい、土ふまず近くまで病変があれば、足の裏全体と足縁まで塗ってもらうなど、範囲をかなり広くとっています。また、片方の足だけに病変がある場合でも、週に一回は健康なほうの足全体にも薬をつけるように指示しています。

外用剤の正しい使用法

外用剤の正しい使用法

水虫の薬は、一日何回くらい塗るべきですか。最近は一日一回で効くという薬がでていますが、宣伝どおりの効きめはあるのでしょうか
外用抗真菌剤にはそれぞれ、一日一回あるいは一日数回などと指示が書いてありますし、また皮膚科医から薬をもらう場合にもなんらかの指示があると思います。それに従ってください。
最近の薬剤で一日一回と指示されているものは、治療試験の段階では有効率や原因菌の消失率などいずれも、一日二回使用となっている薬と差はみられませんでした。これは、患者さんが薬を使用する手間を半減したともいえます。

ふろあがりと外用剤
水虫の薬を塗るのにもっともよいのは、どんなときですか。ふろあがりに薬を塗るとよいといわれていますが、ほんとうでしょうか
ふろあがりには角層が水分を合んでふやけているため、薬がよくしみこむようになっていることは十分に考えられます。薬を塗るための時間も、朝よりは夕方のほうがとりやすいでしょう。また、薬、とくにクリーム剤をつけると、人によっては足がす、べりやすくなることもあります。そこで、わたくしも一日一回、できればふろあがりの治療をすすめています。

外用剤と軽石の使用
知人にすすめられた本に「入浴中に軽石で足の裏をこすると、水虫のくすりがよくしみこむ」と書いてありました。
しかし、病院の医師にたずねたところ、「皮膚が傷ついてよくない」といわれました。どちらが正しいのでしょうか
この質問は、角化型足白癬にたいしての治療と思います。角化型足白癬は、足の裏の皮膚が厚くなり、そのため、薬がなかなか深いところまで浸透しないと考えられます。ですから、入浴中にやわらかくなった足の裏を軽石でこすって余分な角質を取り除くのは、治療の方針にかなっています。しかし、こすりすぎて皮膚を傷めては、なんにもなりません。
要は程度の問題だということです。もしこするとしたら、足の裏があとで痛くならないように、また熱くほてらない程度にしてください。

外用剤の使用と水ぶくれの処置
薬を塗るとき、水ぶくれをつぶしてもかいませんか。つぶしたほうが、くすりがよくしみこむのではないかと思うのですが、どうでしょうか?
確かに、水ぶくれをつぶすと、かゆみが軽くなるという人がいます。このような人は、大いにつぶしてもかまわないでしょう。ただし、水ぶくれのところの皮膚には白癬菌がたくさんついていますが、単につぶすだけでは白癬菌を減らすことにはなりません。したがって、つぶしたからといって、治療効果があがるとか、治療期間が短くなるということはありません。
白癬菌を減らすには、水ぶくれのふたにあたる部分を切り取ればよいと思います。しかし、これは逆にびらん(ただれ)になって痛みがでる場合もあるので、あまりおすすめできません。びらんになったところは、確かに薬が早く、よくしみこむでしょうが、そこには問題の白癬菌はあまりいないのです。しかも、かぶれやすく痛みがでることもあるので、あまりおすすめできる方法ではないのです。
もっとも、水ぶくれを切り取ってしまったあとは、とくに治療しなくても、すぐに乾いて新しい皮膚ができる傾向があります。要はやりかたしだいということになります。

刺激のある場合
水虫の薬をっけるとひりひり痛くなります。効いている証拠でしょうか
薬をつけたときに少ししみるだけてすぐに痛みが消えてしまうようなら、とくに問題はありません。しかし、いつまでも痛むょうでしたら、かぶれをおこすことも考えられるので、要注意です。すぐに薬をやめて、ほかの治療にかえる必要があります。皮膚科医からもらつた薬でこのょうな症状がでたときには、すぐに医師に相談して指示をうけてください。このょうなときに素人判断はいちばん危険です。

外用剤でかゆみがとまらない場合
水虫の薬をつづけていますが、かゆみがとまりません。効いていないのでしょうか?

このような場合、薬が効いていないこともありますが、もっと考えられるのは、薬による刺激、つまりかぶれをおこしていることです。そのまま治療をつづけずに、あらためて皮膚科医の指示をうけてください。
いずれにせよ、本来の病気にかぶれなどの新しい病気が加わると、素人にはなかなか兄分けがつかず、治療がむずかしくなります。どんなときにも、遠慮なく主治医にたずねるようにしましょう。

薬を併用したときの危険性
水虫の薬をつづけていますが、かゆみがとまりません。かゆみ止めのくすりをいっしょに塗ってもいいでしょうか
足白癬の場合、抗白癬剤が効きはじめると、かゆみは数日でとまるはずです。かゆみがとまらないのは、おそらくその薬が合っていないということです。皮膚科医に相談してみてください。かってにかゆみ止めの薬を塗るのはまちがいです。
市販のかゆみ止めの薬には、ときに副腎皮質ステロイド剤が入っています。この薬は強力に炎症を抑えるはたらきがめるのでかゆみをとるにはよいのですが、白癬をはじめとする感染症に使うと病原菌が増えてしまい、結果的に病気がひどくなります。
また、かゆみ止めで炎症を抑えると、白癬本来の症状が消えてしまいます。病気は治っていないのに、典型的な白癬の病像がなくなるのてそのあと診た皮膚科医が誤診することにもなりかねません。二極以上の薬を同じ病変に使うのは、医師の立場からみて十分に成算がある場合にかぎります。

水虫の治療を中止するめやす

水虫の治療をつづけています。最近はかゆみもなく、みた目もすつかりよくなりました。もう治療をやめてもいいでしょうか
治療期間がはっきりしないのでなんともいえませんが、もし一か月以下だったら、このままやめてしまうとまず再発します。わたくしは、最低三か月は治療をつづけてもらいたいと思っています。それくらいの期間治療しても、再発する患者さんはかなりいます。実際、足白癬の治療をいつやめればよいかということは、はっきりわかっていないのです。

爪白癬=爪水虫の治療中止のめやす

水虫で爪が白くなったので、これまでのみぐすりで治療をつづけてきました。足はだいたいよくなり、爪もほとんど白いところがないまでになりました。しかし、
主治医から最低一年は薬をのみつづける必要があるといわれています。ほんとうでしょうか。もっと短くなりませんか?

残念ながらほんとうです。たぶんあなたはいま、
イトラコナゾールかグリセオフルビンという薬をのんでおられると思います。この薬は白癬菌を殺す力は弱く、ただ単に菌を発育させないはたらきをします。このく
すりをのむと、その成分が皮膚の中や爪に入っていき、そこで白癬菌の発育をとめます。このため、新しくできた皮膚や爪の中には白癬菌はいません。しかし、古い爪や皮膚には、まだ菌が生き残っているのです。
爪の白癬が治るのには、爪がまったく生えかわってしまう必要があり、その期間は足では六か月以上かかります。実際には、爪ののびの遅い人もあり、一年くらいかかる場合はざらです。あなたの場代せっかくそこまでよくなってきたのですから、あとひと頑張りしてください。
ところて治療期間を短くする方法がないわけではありません.白癬菌のいない新しい爪がのびるいっぽうで、白癬のいる古い爪をなんらかの方法で取り除けば、治療期間はもっと短くてすむことになります。この古い爪を取り除く方法が現在いくつか試みられていますが、なかなか手間がかかるため、まだ一般的ではありませんし、また確実な効果が得られた例も少ないようです。
また、これから発売される予定の殺菌的作用をもつ内服抗真菌剤では、治療期間はより短くなる可能性がありますし、さらに、大量の間欠投与によって治療期間を短くし、副作用の出現を抑えるやりかたも検討されています。
もし白癬菌を殺す力が非常に強い薬ができれば、この問題は解決することになります。近い将来にはきっとそうなると思っています。

治療を途中で中止した場合
これまで塗りぐすりで水虫の治療をつづけてきましたが、つごうで、途中でやめてしまいました。これまでの治療はむだになるのでしょうか
これまでの治療がある程度むだになるのは、しかたがないでしょう。しかし、おそらく足のかなりの範囲で原因となった白癬菌がいなくなっているでしょうし、また、いるところでも数は減っているでしょう。つまり、病状は軽くなっているはずです。
もしこのまま治療をつづけることができなくても、足をなるべくむれないように注意し、乾かしておけば白癬菌の発育は抑えられるので、少なくともかゆみなどの症状で悩むことなくすむと思います。しかし、なるべく早いうちに、しっかり治療されるようおすすめします。

水虫の薬の使用頻度
水虫の薬をつけて治療しています。塗る回数をもつと多くしたら、早く治るのではないでしょうか
これはおもしろい開題です。
現在一日一回使用として市販されている外用抗真菌剤は、抗菌力が非常に強く、発恋削の試験段階では一日二回使用の薬とまったく同じ効果をあげています。つまり、一日一回の使用でも、同じくらいの速さで症状がとれ、白癬菌もいなくなっていたのです。
白癬の症状は、皮膚にいる白癬菌の量によってある程度左右されます。ごく深いところに少しくらい菌が残っていても、それ以外の菌がほとんど死んでしまえば、症状のとれかたは完治したのとほぼ同じになるわけです。しかし、この深いところに残った菌がやっかいで、再発の原因になることは十分に考えられます。
質問のように、強力な外用抗真菌剤をくり返して病変部に使えば、より深い場所にまで殺菌力のある濃度の薬剤が入っていく可能性はあります。つまり、再発が少なくなる可能性があるのです。このような薬を一日三一四回つければ、症状の消えかたはたいしてかわらないとしても、再発率を抑えるという点では未知の可能性はあるといえるでしょう。ただし、かぶれをおこしやすくなるかもしれませんので、十分に注意してください。

水虫の薬の保存法
水虫の薬の保存法で、注意することはありますか
一般の抗真菌剤は、外用剤・内服薬ともに室温においてもかまいません。しいていくつか注意すべき点をあげるとすれば、①暑くないところ、②治療のときに出しやすい場所、③小さな子どもの手がとどかない場所、にしまっておくことでしょう。

日光浴や紫外線ランプの水虫にたいする効果
日光浴や、市販されている紫外線ランプの照射は、水虫に効果がありますか。もしあてるとしたら、どのようにしたらよいのでしょうか
昔から、紫外線には殺菌効果があるとされており、また最近では、紫外線のもつ細胞分裂の抑制や免疫抑制作用がいろいろの病気に応用されています。ただし、この殺菌作用はそれほど強いものではありません。日光浴にしても紫外線ランプにしても、白癬菌を殺すためには皮膚が傷つくほどの量が必要です。
したがって、カビにたいする殺菌効果を狙うのなら、これらの光はほとんど役に立ちません。
光線療法が足白癬に有効なのは、光線をあてて足を乾かす場合だけで、とくに足の指のあいだを広げて光をあてると効果が大きいと思います。しかし、足の指のあいだを乾かすためだけなら、光線発生装置を使う必要はないわけです。一日数回、足の指のあいだを広げて乾かせば、それで十分ということになります。

ネイルカラーの水虫にたいする効果
ネイルカラーは爪の水虫に効果があると聞きましたが、ほんとうでしょうか。また予防になりますか
実験では、ネイルカラーには白癬菌の発育を抑える力があることが証明されています。ただし、このことと、爪の中にいる菌を殺すこととはまた別で、ネイルカラーの効果には限度があると思います。無条件に頼るのは考えものでしょう。

水虫のセルフケア

セルフケアのポイント
水虫の治療にはセルフケアがたいせつだといわれていますが、どんな点にもっとも注意すべきですか
いちばんだいじなことは、「清潔と乾燥」だと思います。これが水虫を悪化させない秘訣です。
ここで誤解がないようにつけ加えておきますが、まず足白癬の病変部をいくら清潔に保ち、乾かしておいても、このままでは水虫は治りません。いったん足にとりついた白癬菌は、現代人の生活習慣のなかでは局所のケアくらいで取り除けるものではないのです。この菌は、それくらいヒトの皮膚での生活に適応している菌なのです。ですから、皮膚の中の白癬菌を殺すためには、抗真菌剤が必要です。
セルフケアとは、抗真菌剤による足白術の治療の補助的な役割を果たすものと考えてください。
足の清潔と乾燥を保つ具体的な方法については、あとで記載する「糖尿病の患者さんの足のケア」を参考にしてください。

水虫と栄養・体質の関係
水虫と栄養状態とは関係がありますか。アルカリ性の体質は感染に強いと聞いたことがありますが、食事によってこのような体質に改善することは可能ですか
水虫と栄養状態とはとくに関係はありません。
バランスのとれた食事はたいせつですが、アルカリ性の食品を多くとったとしても、皮膚の表面の酸性度(つまりph)とは無関係です。
ちなみに皮膚の表面は弱い酸性になっており、これが多くの徹生物の増殖を抑制するとされています。
そして、皮膚に炎症がおきたり、皮膚がいつも湿っていると、皮膚はアルカリ性に傾くといわれています。皮膚のコンディションを改善するには、食事の心配よりも局所のケアがいちばんです。

スキンケアの悪条件と水虫の関係
30歳の女性です。過労やストレス、睡眠不足などはスキンケアの大敵といわれています。こうした皮膚の悪条件は、みずむしにも影響するのでしょうか
この場合のスキンケアとは、顔をふくむ皮膚全体、とくに美容的に問題となる部分についてのことと思います。むろん足の皮膚もからだの一部であり、過労やストレスの影響をうけると思われます。しかし、それが水虫の状態に直接関係するとは思いません。むしろそのような状況では、足のケアや皮膚病の治療もおろそかになりがちでしょう。そのほうの影響が大きくでることが考えられます。
肉体的な過労の場合、履き物やストッキングについての心くばりがおろそかになる以外に、足にむくみがおきることがあります。この場合、足の指のあいだが狭くなるわけですし、それが靴などでしめつけられるようになれば、水虫にたいしてたいへん不利になると考えられます。

足の清潔の保ちかた
足を清潔にしておくには、どのような注意が必要ですか。消毒液で足を洗うと治りが早いと聞きましたが、薬とあわせて利用してもよいでしょうか
洗いすぎない程度に洗うことがたいせつです。足の汚れかたは一人ひとりでちがうでしょうから、一律に足を洗う回数は決められません。しかし、理屈からいえば、もし足に白癬菌がついても、すぐに洗い落とせば実際の感染にまですすむことはないはずです。したがって、足を洗うのはその程度でよいと思います。わたくしは、患者さんには、夕方足を洗ったあと外用抗真菌剤を塗るように指導しています。
あまり洗いすぎると、足がいつも湿った状態になる可能性もあり、かえってよくありません。
洗う場合には、ふつうの石けんで十分です。消毒液は、適切なものなら感染予防や防臭などに効果があると思いますが、一面ではかぶれをおこす危険性もあり、いちがいにはおすすめできません。もしどうしても使いたい場合には、皮膚科医と相談のうえ、適当なものを選んでもらってください。とくに、外用抗真菌剤を使って足白癬を治療しているときにかぶれをおこすと、主治医は抗真菌剤による副作用と判断することもあります。
足の防臭のためなら、やはり皮膚科医と相談のうえ、市販の防臭スプレーなどを使うこともできます。

水虫と石けんの使用

水虫のとき、石けんで患部を洗ってもかまいませんか。「石けんを大いに使え」という人と、「石けんを使うとこじれる」
という人がいて困っています
水虫の病変部を洗うとき、石けんを使うのはまったくかまいません。ただし、いくつか注意すべきことがありますので、以下にの、、へておきます。
①石けんは、ごくふつうの入浴用のむので結構です。
患部にしみないものを選んでください。逆性石けんや消毒用石けんなど特殊な用途が指示されているものには、逆に刺激になるものもあるので避けたほうが無難でしょう。
②ゆっくり、やわらかく洗うようにしてください。お湯はぬるめにします。石けんを使ってごしごし洗ったのでは、かえって皮膚を傷めます。
③同様に、洗い終わったあとは、石けんをゆっくりよく洗い流すことです。
④あとはこすらないようにして、よく水けをとり、できるだけ乾かすことです。以上の注意を守れば、石けんを使ったために水虫がこじれるということはまずないと思います。むしろ臆病になって足を洗わず、指のあいだなどの清潔がおろそかにならないように注意してください。

水虫のときの靴の選びかた
水虫のときの靴選びについて教えてください。足を乾燥させておくには、どんなタイプの靴がよいのでしょうか。また、はきかたについての指導もお願いします
まずいえることは、①風通しの悪い素材のものは避けることと、②小さい靴や部分的に足をしめつける靴は避けることです。この二つを守れば、靴の選びかたは、ごく常識的な基準でかまわないと思います。具体的には、できるだけ通気性のよいデザインのものを選びます。また、なるべく靴をはく時間を短くして足を乾かすことが大切です。
ついでにいえば、靴下はあまり厚くないもののほうがよいようです。また、靴ひものついたものでは、あまり強くしめすぎないようにしてください。粗い素材でできた敷きものを底に敷くのも有用です。ただし、なるべく頻回に交換するようにしましょう。
皮肉なことですが、このように靴を選んではける人や靴をぬぐ時間をもてる人には、靴の問題は大したことではないのです。はきかたに注意するだけでよいのです。問題なのは、工場などの暑い環境のなかで安全靴(足先を鉄で保護した靴)をはいて仕事をしなければならない人や、エアコンのきいたオフィスなどで一年中靴をはいていなければならない人たちです。
このような不利な条件をもつ人にとって、もっともたいせつなことは、機会を見つけて靴をぬぐことだと思います。このためにも、あまりしめつけすぎない、また着脱のしやすい靴のほうがよいのです。
仕事などで靴の中に湿気がたまりやすい人は、靴を脱いだあと、足と同時に靴の中も乾かすようにしてください。できれば数足の靴を毎日はきかえるようにすると、靴の中の乾燥もうまくいきます。
同じ・履き物を共同で使うと、白癬菌をうつす危険が非常に大きくなります。こうしたことは、できるだけ避けてください。

水虫と靴下の選びかた
水虫の治療中には、どのような靴下をはくべきですか。最近、水虫に効くという靴下がでていますが、効果はあるのでしょうか
厚すぎる靴下を避ける以外、とくに注意すべき点はなさそうです。要は「清潔と乾燥」を心がければよいのです。そのためには、足を清潔にすると同時に、できるだけ洗った靴下と取りかえることです。
靴下の素材に抗真菌剤をふくませたものは、その部分で白癬菌を抑えるのには役立ちますが、足の指のあいだの病変にたいしては効果はありません。このような製品は、白癬菌が皮膚について増殖をおこすのを抑えるためのものです。いったんできてしまった足白癬の治療のためのものではありません。

パウダーと発汗防止スプレーの使用
足を乾燥させておくには、幼児用のタルカムパウダーがよいと聞きました。効果は期待できますか。また、最近宣伝されている発汗防止スプレーはどうでしょうか
パウダー類は、一時的に皮膚の表面の水分を吸い取り、粉末でおおうことでなめらかにするのには役立ちます。しかしつけすぎると、水分をふくんだまま皮膚の表面に残っていることになり、逆効果となりかねません。そこのところを十分に注意して使う必要があります。また、ふくまれている成分によっては、皮膚のかぶれをおこす場合があることも考えなければなりません。
わたくしは、足白癬にたいしては、原則としてパウダーは必要ないと考えています。
発汗防止スプレーもだいたい同じと考えてよいでしょう。この薬剤は足の発汗を防止し、においを消すためには役立ちますが、効果は一時的です。これも、使いすぎないように注意する必要があると思います。

水虫の他の部位への感染防止

水虫をからだのほかの部位に感染させないためには、どのような注意が必要ですか。手足の清潔以外にも気をつけるべきことはありますか
確かに、足に水虫があると、からだのほかの部位にうつり、新しい病変をつくることがよくあります。わたくしがよく経験するのは顔や手などに白癬をもつ患者さんてくわしくたずねてみると、それ以前からかなり長いあいだ足に水虫があったという例です。このような場合、どうしたら感染を防げたかがきちんとわかればよいのですが、じつはなんともいえないのです。
少し関係ありそうなデータとしては、白癬をもつ患者さんがいると、その家庭の床のごみに白癬菌がふくまれる率が高くなることと、その白癬菌の数は患者さんを治療すれば急速に減ることです。このように身のまわりに白癬菌がたくさんあると、その白癬菌が新しく皮膚にとりつく機会が増え、そこで好条件に恵まれれば増殖して新たな病変をつくるものと考えられます。
そうすると、もっともよい予防策は、感染源(原発巣)である足の水虫を十分に治療することになります。
もうひとつ注意しなければならないことは、患者さんが一人いれば、その家庭には、たとえ症状は軽くても、ほかにも水虫の患者さんがいる確率が高いことです。したがって、水虫の予防を完全にするためには、このように気づかれない患者さんの検査もふくめて処置をする必要があります。
これまでいくどものべてきた手足の清潔とは、万一皮膚の表面に白癬菌がついても、そこに菌が定着し増殖して病変をつくる過程を遮断することにあたります。

水虫の民間療法の効果

50代の男性です。「水虫には酢が効く」「アロエで水虫が治る」など、たくさんの民間療法があって、わたくしもすすめられた経験があります。こうした民間療法は、ほんとうに効くのでしょうか。試みてもよいものと、やめたほうがよいものの見分けかたがあれば教えてください

とうぜんのことですが、足白癬の症状とは、白癬菌が足の皮膚についてそこで皮膚に障害を与え、皮膚がその菌を排除しようとして反応をおこすものです。ですから、この反応は白癬菌の数がごく少なく、皮膚にたいして害をあたえていないときにはおこりません。
具体的にいうと、梅雨どきになって足の温度と湿度がカビの増殖につごうがよくなると、足についていた白癬菌は増え、ある程度以上になると足白癬の症状をおこしてきます。
薬による治療が効きめをあらわすと菌の数は減り、それとともに炎症がおさまってくると、肉眼的に足白癬は治りたようにみえます。しかし、これが実際には完治でないことは、次の梅雨どきになるとまた同じ症状がでてくることでもわかります。したがって、足白癬の治療には、不愉快な症状をなくすことと、完治させることの二つの目的がふくまれていなければなりません。
これまでの外用抗真菌剤の開発の歴史では、まず、自然に存在するさまざまな物質をはじめ、多くの化合物やほかの生物からの抽出物の抗菌活性が研究されてきました。そのうえで、現在市販されている新しい抗真菌剤が発見され、製品となってわたくしたちの手もとにあるのです。
このように、薬として製品化されている抗真菌剤は、白癬菌を殺す作用が非常に強く、同時に、皮膚についても不必要に皮膚を障害したり刺激したりしない物質が選ばれています。つまり、これまで自然界にあったものは、この二つの点で新しい抗真菌剤に劣っているのです。
じつは、民間療法の水虫の薬は、そのほとんどが菌の増殖を抑えて症状を軽くする力をもっています。

たとえば酢がそれです。強い酸性液である酢に足を浸すと、白癬菌は強く障害されます。しかし、皮膚の深部にいる菌にはその作用はとどきません。症状は軽くなりますが、完治はしません。つまり、みずむしの薬として必要な二つのはたらきのうち、一つが欠けているのです。

これまでわたくしが経験した民間療法の有効例というのは、すべてこのようなものでした。なかには、それまで小水疱型(しょうすいほうがた)や趾間型の白癬でかゆくて困っていたものが、民間療法による治療とともに角化型にかわったために自覚症状がなくなり、治癒とまちがわれていた例もありました。

しかし、わたくしはこのような民間療法をまったく否定するものではありません。要は足白癬の症状がなくなり、快適な社会生活がおくれれば、それで水虫の治療の目的はいちおう達成されたことになります。足白癬を完治させるためには、現在の新しい外用抗真菌剤でも数か月以上におよぶ根気強い治療が必要なことを考えれば、おだやかな作用と安価な治療費で症状を抑えることができるいくつかの民間療法は、十分に存在価値があるものと考えています。
ただし、注意すべきこともあります。わたくしの経験では、このような民間療法をつづけているうちに、菌が爪の中に入って爪白癬になった例もありました。もし爪白癬になって、爪甲の白濁や肥厚などの症状がでた場合、これを治療するには民間療法はすべて無力と思います。民間療法をためすときには、このあたりの得失は十分に念頭におく必要があると思われます。

水虫とアロエ汁 水虫にアロエの汁が効くという話かあります。たしかに、アロエの汁で一時的に水虫の症状がとれることはあると思いますか、水虫、とくに足白眉か治ることはますあり得ません。逆にアロエの汁の刺激で症状かひどくなることもあります。十分に注意して使ってください。アロエ以外にも、みずむしにはさまざまな民関原法かあります。

海外出張時の水虫対策
海外へ出張します。水虫がありますが、どんな注意をしたらよいでしょうか?
まず、現在水虫をもっている人ももっていない人も、足の乾燥には十分注意してください。旅行の途中で水虫が悪化して苦労した話は、それこそたくさんあります。
小さい靴はもっとも始末におえません。靴はよくフィットしたものや大きめのものが、二足以上あれば理想的です。ストッキングや靴下も靴に合わせて選びます。旅行中にエチケットに反しない程度に靴を脱ぐように努めてください。ホテルで足を洗ったときにはよく乾かすようにしましょう。
水虫のある人は、ふだん使い慣れた薬をもっていきます。はじめての薬をもっていって、かぶれでもおこしたらたいへんです。
足白癬のための外用抗真菌剤は、最近一日一回使用のものが発売されており、これが便利です。旅行中に極端に足がむれて湿るようなら、抗真菌剤は少なめに使うか、一日おきに使うくらいが無難です。
これもかぶれを予防するためです。
旅行中にどうしても薬が必要になったときは、病院で処方してもらうのがいちばんです。しかし、これは高くつき、また時間もかかります。ホテルで頼んだり、ドラッグストアで買う方法もありますが、薬の内容がわかりにくいので、なかなかやっかいです。長期の旅行や出張では、日本から送ってもらう方法もあります。とにかく薬をきちんと持参し、ころばぬ先の杖としておくことがいちばんです。

水虫の予防

家族への感染の予防
27歳の男性です。水虫の治療中です。家族への感染を防ぐには、どのような注意が必要ですか
第一に、まずご本人がしっかり治療することです。水虫を治療しないでいると、まわりに菌をまきちらします。このためにも、一度皮膚科医の診察をうけて、病気のある部分を確かめておくことがだいじです。その際には、家族のなかですでに足白癬にかかっている人がいて、本人が気づいていないこともあるので、家族もよく診てもらっておくのがよいでしょう。
第二に、床などに落ちた白癬菌が、まわりの人について増えないようにすることです。つまり、床を十分に掃除をし、風通しをよくしてください。ふろ場などのマットはしょっちゅう洗い、乾かすことです。この際、特別な石けんや消毒剤は必要ありません。また、乾燥は日光での乾燥で十分です。
第三に、履き物などを共用しないことです。
第四に、家族みんなが足の「清潔と乾燥」を守り、ときどき皮膚に変化がないかをチェックすること、などがたいせつです。

水虫の人の下着や靴下の洗濯
16歳の女性です。父が水虫で、わたくしにも感染するのではないかと心配です。父の靴下や下着を洗うとき、家族のものといっしょに洗っても大丈夫でしょうか?
いっしょに洗濯してもまず大丈夫です。あなたの不安は、むしろ感覚的に不安だというものではないでしょうか。しかし、前の質問でもお答えしたように、ふつうの洗濯と乾燥で十分です。そのほかの注意も前の質問にのべておきましたので、参考にしてください。

学校での感染予防の注意
小学生の男の子の母親です。近年、子どもの水虫が増えているようですが、学校などでうつされないためには、どんな点に注意したらよいでしょうか。家族にみ
ずむしにかかっているものはいません
残念ながら、子どもの水虫、あるいは足白癬がどのくらいあるのか、わたくしは正確なデータをもっていません。しかし、密閉型の居住環境やエアコン、靴をはく機会の増加などから、水虫の頻度が高くなっていても不思議はないと思います。
ところで、クラスメイトに足白癬の人がいるとした場合、まず履き物を共用しないこと、帰宅後、指のあいだをふくめてよく足を洗い、乾かす。これを守れば、予防は十分だと思います。

公共の場所でのスリッパなどの注意50代の主婦です。公共の場所や病院などのスリッパから水虫が感染すると知って不安です。やはりスリッパは持参したほうがよいでしょうか。外出先で、ほかにも注意すべきことがあれば教えてください
病院などの共用スリッパに白癬菌がついていることがあるのは、残念ながら事実です。ただし、そこから感染する機会は非常に少ないと思います。しかし、感染の可能性がゼロでないことを考えれば、負担にならないかぎり、自分でスリッパを持参したほうが、とうぜん安全です。
このほか、公共の場で、はだしになったり、共用の履き物をはく場所、つまりプールや体育館などでも白癬菌の汚染があると考えなくてはなりません。
これらの場所に行ったあとは、足を洗って乾かすことを心がけてください。

水虫の院内感染予防の知・謀病院の治療室や浴室で水虫の感染を防ぐには、どのような注意が必要でしょうか
これは医療にたずさわっている方からの質問かと思います。注意すべき点は、以下のような点です。
まず第一に、入院している患者さんについては、病歴によって白癬があるかどうかを確認し、また皮膚科へ紹介して診断と治療法の指示をうけることです。治療は患者さんまかせにせず、病院側でもチェックするようにします。とくに患者さん自身が気づいていない足白癬には注意が必要です。
第二に、足の指のあいだなどに変化がある患者さんのチェックです。皮膚科の診察が得られない場合、その部分の清潔・乾燥に努めるとともに、イミダゾール系などの抗菌スペクトラムの広い薬剤で治療しておきます。
また、この際、かぶれの発生などで病状が悪化しないように注意することも必要です。床やマット類についても清潔と乾燥を心がけることです。薬剤の散布などの必要はなく、むしろかぶれなどをおこす危険のほうが大きいと考えてください。要は、患者さん一人ひとりのコントロールをしつかりすることにつきます。

水虫になりやすい職場での注意
18歳の男性です。料理関係の職場に就職の予定です。この仕事は水虫が職業病と聞きました。水虫にならないための心がけがあれば教えてください
水虫はその名のとおり、湿気の多い環境でできやすくなります。予防策としては、清潔と乾燥が第一です。ぬれた履き物をはきつづけないこと、できれば、仕事中にも履き物を脱いで足を乾かすことを考えてください。
あまり足を洗いすぎるのも考えものですが、少なくとも仕事の終わりには足をよく洗い、十分に乾かします。洗ったまま湿らせておくのはよくありません。
もし足白癬がうつるとしたら、職場の同僚のなかに白癬をもった人がいる場合に可能性が高くなります。したがって、職場に水虫の人がいる場合、その人はすすんで治療をうけるようにするべきで

女性の水虫予防の心得

20代のOLです。働く女性の増加にともない、女性の水虫も増えていると聞きました。女性の場合、水虫の予防ではとくにどんな点に気をつけるべきでしょうか
女性だからといって、予防の考えかたがとくに男性と異なることはありません。要は、足の清潔と乾燥に注意すればよいわけです。もうひとつつけ加えるとすれば、症状がでたとき恥ずかしがらずに皮膚科医の診察をうけることでしょうか。
わたくしの経験例では、家庭の主婦が夫から水虫をうつされたというケースが多くあります。まず、感染源を断つことも考えてください。

ネコやイヌのたむしからの感染の危険性
ネコを飼っています。最近、ネコやイヌにたむしが増えているということですが、みずむしの原因になりますか
ペットからの感染で水虫になることは、まずありません。ネコやイヌのたむしの菌は、ヒトの足白癬の原因菌とは種類が異なっています。この菌はヒトの皮膚についた場合、とくに顔や腕などにたむしをつくりますが、足に感染することはまずありません。
ペットのたむしの症状では、脱毛、つまりところどころ毛が抜けたところができます。ところが実際に問題になるのは、このような症状がなくて白癬菌をもっているペット(健康な保菌獣)の場合です。
このようなペットから菌を検出するには特殊なテクニックが必要で、一般には行われていません。たむしの予防には、とにかく「ペットとあまり密着しないようにつきあう」くらいのことしかいえないのが残念です。イヌやネコにたむしの疑いがある場合には、一度獣医さんと相談してみてください。

職場やスポーツクラブでの水虫の予防
水虫の予防のため、職場やスポーツクラブでできることはありますか

まだ床や畳の上で靴をぬいでの仕事もあるとは思いますが、ほとんどの職場では全員が靴をはいているのではないでしょうか。そうだとすれば、問題はありません。
そうでない場合、気をつけることは、共用の履き物をなるべくなくすことと、床の清掃でしょう。仕事のあとにシャワーや浴室を使うなら、そこの床やマットを十分きれいにしておく必要があります。床はよく洗い流し、はずして洗えるものなどは十分に洗って乾かすことです。
殺菌剤などの散布は、毒性の開題があったり、入によってはかぶれをおこすこともあるので、おすすめできません。
どちらの場所にも共通していえることは、一人ひとりが自分の病気をきちんと治療して、まわりの人にうつさないようにすることです。スポーツクラブの場合も、予防の考えかたは同じです。

靴を脱げない職場での工夫
会社にいるとき、一日中靴をはいているために足がむれます。水虫に悪いと思いますが、なにかよい方法はありませんか
箸くてむれた足は、水虫の発育にとってもっともよい環墳です。靴を脱ぐことができればよいのですが、とくに工場などではそれができないことが多く、足にとって問題です。
できれば、むれない素材の靴を選び、休憩時にはできるだけ靴を脱いで足を乾かします。靴はゆったりしたサイズのものがよく、靴下はなるべく薄手のものを選んで、なんどもはきかえるなどの工夫が必要でしょう。足白癬の予防には、市販されているスプレー式の消臭用抗菌剤も役立つと思います。

父はいわゆる寝たきり老人です。足のケアについて、どんな点に注意すればよいでしょうか
第一は清潔と乾燥を守ること、第二は乾燥させすぎないことです。この二つは矛盾しているようにみえるかもしれませんが、とてもたいせつなことなのです。
まず足全体をみてください。汚れて湿っているところはありませんか。指のあいだもよくみてください。もし湿ったり白くふやけたりしたところがあれば、そこは要注意です。逆に皮膚がかさかさになってはげているところはありませんか。皮膚が一部分だけ厚く硬くなっているところはありませんか。
皮膚の清潔と乾燥を保つためには、まず洗うことです。石けんはごくふつうのものでかまいません。
ブラシはやわらかいものを用い、決して強くこすってはいけません。やわらかいブラシで取れるくらいのあかを落とすつもりで洗い流してください。ついで、よくすすぎ、こすらないようにして水分をふき取ります。あとは十分に乾かしてください。とくに、前もってのチェックのときに湿っていた場所や、足の指のあいだをよく乾かすことです。
皮膚が乾いてふけのように落ちるところは、そのまま放っておくと、かゆみのためにかきむしって、ほんとうの湿疹になることがあります。このような部分には、保温作用のあるクリームを塗ります。製品については、皮膚科医に相談してください。
部分的に皮膚が厚くなったところや、足の指のあいだに温ったところがあれば、皮膚科医や訪問看護のナースに相談のうえ、必要なら検査をうけ、どんな薬を使ったらよいか説明と指示をうけてください。足のケアについては次の質問でもふれていますので、あわせて読んでいただきたいと思います。

糖尿病の患者さんの足のケア

糖尿病があります。足の手入れではどんな注意が必要でしょうか
糖尿病の患者さんで問題となるのは、①皮膚が乾きやすいこと、②知覚が鈍っていてけがをしやすいこと、③傷が化膿しやすいこと、などです。そこで、対策としては主に次のような注意が必要です。
①足の指をなるべく乾燥させる
厚すぎたり窮屈な靴下や靴はよくありません。一日に数回、足の指のあいだを広げて乾かしたり、指のあいだにガーゼやパットをはさんで広げるなどを心がけてください。
②足や指のあいだをなる、べく清潔に
石けんは特別なものは必要ありませんが、洗ったあと、十分に水けをとって乾かすようにしてください。パウダー類を使用する必要はありません。
③足の裏の手入れを欠かさない
足の裏のきれつ、うおのめは、こまめに治療をうけてください。また、不用意な深爪や小さい外傷などにも注意しましよう。
④足の乾かしすぎにも注意する
必要なら、皮膚科医あるいは糖尿病の主治医と相談して、適当な保温剤を使用するようにします。熱い風呂、長風呂、洗いすぎはよくありません。
⑤指のあいだの変化に気をつける
指のあいだに変化があれば、やはり一度皮膚科医の診察をうけ、もし感染があれば検査と治療の指示をもらってください。糖尿病の患者さんでは、足の指のあいだに一度病変ができると、治りにくいことがあります。さらに、もっと悪いことには、そこから細菌が入って、ときには命にかかわるような感染をひきおこすことがあります。
糖尿病は一生の病気です。皮膚の変化は、小さいものでも重大な結果をひきおこす可能性のあることを忘れずに、治療とケアに意欲をもってもらいたいと思います。

硬くて切れない爪の手入れ
七二歳の母親の足の爪が硬くて、ふつうの爪切りでは切れません。どのようにしたらよいでしょうか
このように爪が硬くなるのは、ある程度年齢的なものもありますし、また爪の周囲に炎症があると爪が厚く硬くなることがあります。
原因にたいする治療のほかに、このような爪には特殊なブライヤー型爪切りが役に立ちます。医療器具店や金物屋で売っていますのでなるべく先端が細くとがっていて、刃先がよく合うものを求めてください。また、金物屋にある金属用のヤスリで爪を削ることもできます。ヤスリ目の太さは、店先で実際に確かめられたほうがよいでしょう。
特殊な場合には、爪に尿素軟膏などを厚めに塗ってビニールフイルム(食品などのラップ材)でおおい、1〜2日おいておけば、爪が白くふやけてきます。このようになれば、爪切りで簡単に切れます。しかし、これは皮膚科医と相談したうえでやるようにしてください。

 

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